倫理委員会 最近の話題
最近の話題
癌治療法の進歩により、その効果も増強されてきましたが、それに伴い患者の負担する治療費も高騰し、患者と病院との間でトラブルが増加しています。そのため当倫理委員会では、患者への説明文の中に、治療によりどれだけの生存利得が得られ、またどれだけの医療費が要るかという情報を、患者のわかる言葉で誤解なく伝えることが急務であると考えるに至りました。その一例として、倫理委員会が審議したのは、「HER2陽性の原発性乳癌患者を対象とした補助化学療法としてのトラスツズマブの有用性を検討する観察研究」であります。もしこの治療を体重50kgの患者が3週間毎1年間続けた場合の薬価は、総投与量35バイアルで、約2400,000円となります。もしこれにより一部の乳癌が全治するのであれば、この治療法を受ける患者も多いと思います。一方、これが延命効果しかないとすれば、それに大金を使いたくないという患者もいるかもしれません。残念ながら現行の生存分析では、この「全治か延命か」という疑問に答えることはできず、何十年という追跡結果に待たねばなりません。




