平素より当病院をご利用いただき、心より感謝申し上げます。この度、放射線治療部門において、第1リニアック^＊装置の稼働を急遽停止する運びとなりましたのでご報告します。

●経緯について
　治療装置更新に伴う施設調査の結果、第1リニアック室（南病棟地下1階）の外壁構造の一部が国への許可申請内容と一致していないことが判明いたしました。これを受けまして、急遽第1リニアック装置の稼働を停止することにしました。

●治療中の患者の皆さまへの対応と影響について
　現在、第1リニアック装置にて治療を受けておられる患者さまにおかれましては、8月5日（月）以降は第2リニアック装置^＊＊にて引き続き治療を行わせていただきます。
　本件は治療装置の不具合によるものではありませんので、これまで受けてこられた治療の効果や副作用に影響を与えるものではありません。また、第2リニアック装置で引き続き同じ治療を継続できますので、どうぞご安心ください。
　これから治療を開始される患者の皆さまに関しましても、第2リニアック装置で治療を行わせていただきますのでご安心下さい。

●放射線の被ばくについて
　当院では放射線治療室外および施設外の放射線量について、国の基準に基づき定期的に測定を行っており、常に基準値を満たしていることを確認しています。そのため、患者の皆さまや病院を利用されている皆さま、および付近住民の皆さまに、外壁構造の不一致による不当な放射線の被ばくは一切生じておりません。
　また、外壁構造の一部が申請内容と異なるために計算上線量が申請内容より高くなる部分に関しましては、全て建物を取り囲む土中であり、人が立ち入ることができる場所に関しては全て計算上も安全で規制範囲内の線量となっていることを確認しています。
　現在および過去に放射線治療を受けられた患者の皆さまをはじめ、当院の患者の皆さま、病院スタッフ、その他病院を利用されている皆さま、付近住民の皆さまにおかれましては、外壁構造の不一致による不当な被ばくや漏洩は全くございませんので、ご安心ください。

●今後の対応について
　申請不備に関しましては、原子力規制委員会に報告の上、協議しながら今後の対応を進めているところです。同委員会および保健所からの指導に従い、適切な対応を行ってまいります。また、今後このような申請不備が生じないよう、原因究明と対策を講じていきます。

●さいごに
　今回の件でご迷惑・ご心配をおかけしましたことをお詫び申し上げます。私たちは、患者の皆さまに引き続き安全かつ適切な治療を提供するため、最善を尽くしてまいります。
　本件につきまして、ご不明な点がある場合には、下記の連絡先まで遠慮なくご連絡ください。
　皆さまのご理解とご協力のほど、何卒よろしくお願いいたします。

●本件に関する連絡先
　天理よろづ相談所病院 総務課 電話番号 0743-63-5611（代表）
　（休日、時間外に関しましては、当直者の対応となります）

●備考
^＊リニアック：直線加速器というX線や電子線を出す治療装置のことです。コバルトなどの放射性同位元素を用いておりませんので、治療などの際にX線や電子線を発生したとき以外は放射線が出ることはありません。放射線が残留することもありません。

^＊＊当院では2台のリニアックで治療を行っており、今回はそのうちの1台を稼働停止にするものであります。第2リニアックにおきましては、壁構造および申請上の問題はございません。当院での放射線治療は引き続き第2リニアックで継続していきますので、今回の件で治療開始が遅れたり、治療ができないといったことはございません。

• 第1リニアック装置の稼働停止のお知らせ