“全人医療”の草分けと自負しています 人が病む時、それは単に身体だけが病んでいるのではありません。人には心があり、家族があり、社会の中でさまざまな役割を担っています。そのため、身体だけでなく人そのものに目を向け、その心や暮らしにも思いを届かせる必要があります。 わが国で、そんな当たり前のことに目が向けられるようになったのは、ようやく近年のこと。いまでは、高度な医療の追求と同時に“全人医療”や“終末期医療”など、人間らしく生き、人間らしく生を終えられる医療が求められています。 身体と心と生活に目を向け、「病(やまい)だけでなく、病(や)む人そのものに向かい合う」という“全人的”取り組みを、80年以上も前から続けて来ました。 “高機能病院”としての使命を果たします 高度急性期医療機関として、医療安全に裏付けられた高度先進医療を提供します。医療事故、院内感染の予防、対策に関する指針、規程、マニュアルなどを定めて安全な医療の提供に努めています。 そして常に最新の医療機器を整備し、技術を追求して、よりよい医療の実践に務めています。 また、医療関係者教育機関の臨床実習施設として、医学生、薬学生、天理医療大学の看護学生等、医療人材の育成に大きく寄与し、優秀な医師、看護師など人材の養成に努めています。 その一環として、臨床研修指定病院であるほかに専門医制度認定医になるための修練施設としても学会等から指定を受けています。さらに、令和3年2月に特定行為区分(13区分)、領域パッケージ研修(在宅・慢性期領域)を1年間複合的に学ぶ指定研修機関の認定を受けており、同年4月から看護師特定行為研修を開始し、「特定行為」と呼ばれる一定の診療の補助を行う看護師を養成しています。 “基幹病院”として地域医療に貢献します 奈良県東和保健医療圏に位置し、近府県、国内各地はもとより海外からの受診者も少くありません。外来患者数は1日平均約1,600人で、年間では延べ44万人、入院患者数は延べ18万人を数え、関西地域の基幹病院の一つとしての責務を担っています。 当院が80年にわたり地域に提供し続けてきた患者さんに寄り添い、尽くし、ともに歩み続ける“力”。「天理」ならではの医療への取り組みは、病む人のみならず、各地で患者さんと真摯に向き合う医療人を支える“力”でもあります。 平成29年には「かかりつけ医ネットワーク」を創設、地域の医師や病院・診療所との連携をこれまで以上に密にし、地域包括ケアシステムの推進を図り、より多くの人たちへの安心と笑顔を届けていきます。 白川分院 白川分院は、天理よろづ相談所病院(本院)の分院として平成15年7月に開設されました。分院は、本院での急性期診療を終え慢性期になった患者さんに療養およびリハビリテーションを提供する療養病棟・回復期リハビリテーション病棟(A棟)と、精神神経科的疾患に悩んでおられる患者さんの療養を提供する精神神経科病棟(B棟)からなっています。精神神経科(B棟)では、外来診療及びショートケアも行っています。令和元年7月に本院から在宅世話どりセンターが移転し、同11月に在宅療養支援病院となり、翌令和2年には療養病床の一部を地域包括ケア病床へ届出変更をしました。 在宅世話どりセンター 白川分院に併設された在宅医療部門で、本院の急性期医療を補完し、社会福祉をも視野に入れた高い志をもって開設されました。 主な医療処置としては、経管栄養、尿路カテーテル、気管切開、人工呼吸器、酸素療法、中心静脈栄養、輸液療法、褥瘡を含む創傷などの管理、リハビリテーション、緩和ケアなどを実施。白川分院は令和元年11月から機能強化型在宅療養支援病院(単独型)となり、24時間往診体制を確保し、在宅緩和ケア及び自宅での看取りにも対応しています。