卒後臨床研修センター
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内科ローテイトシニアレジデント 中山洋一先生、第221回日本内科学会近畿地方会若手奨励賞(後期研修医)優秀賞 受賞

「インドネシアからの移住者に発症した結核性縦隔リンパ節炎の2症例」

【症例1】32歳・男性・インドネシア出身の元看護師

・3年前に来日し、介護職に従事。
・1ヶ月前から続く乾性咳嗽、発熱、盗汗、食思不振、体重減少を主訴に来院した。
・胸部CT上、縦隔リンパ節腫大を認めた。
・CRP 3.2mg/dL,ESR 30mm/hr,抗 HIV 抗体 (-)
・喀痰検査で有意な病原体を認めず。
・悪性リンパ腫を疑い施行した超音波気管支鏡ガイド下針穿刺検査でM.tuberculosisを検出した。
・薬剤感受性菌であり、4剤併用療法(RFP/INH/PZA/EB)で現在加療中である。

 

【症例2】32歳・男性・インドネシア出身の元眼科医

・研究目的で1年前に来日。
・7ヶ月前から経時的に増大する前頸部腫瘤を主訴に来院した。
・胸部 CT上、頸部腫瘤、縦隔リンパ節腫大、腹腔動脈周囲リンパ節腫大を認めた。
・CRP 0.7mg/dL,ESR 18mm/hr,抗 HIV 抗体 (-)
・前医で頸部腫瘤からドレナージされており、その穿刺排膿液の培養で、M. tuberculosisを検出した。
・薬剤感受性菌であり、4剤併用療法で加療し治癒した。

 

【考察】

・通常、結核性縦隔リンパ節炎は、一次結核で出現することが多く、成人結核患者では稀である。
・インドネシアは結核の高蔓延国であり、かつ現地の医療従事者が初感染とは考えにくく、今回の症例はいずれも二次結核の可能性が高い。
・イギリスやカナダなどの高緯度地方において肺外結核患者は増加傾向にあり、特にアジアからの移民に多い。また、アジアからの移民ではリンパ節結核が多い傾向にあった。
・近年我国でも外国生まれ結核患者は増加傾向にあり、特に高蔓延国からの移住者に発症した縦隔リンパ節腫大では、リンパ節結核に留意する必要がある。

 

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