呼吸器外科
診療内容

原発性肺癌

 肺癌手術に関しては、術前検査にて進行度を見極めた上で、病期Ⅰ、Ⅱ期を絶対的適応としますが、縦隔リンパ節転移陽性等のⅢ期進行肺癌症例に対しては、呼吸器内科、放射線科とも連携して、化学療法や放射線療法を併用した集学的治療も行っています。

手術

 肺葉切除術を基本としますが、低肺機能症例や末梢小型肺癌などの早期癌には肺区域切除や部分切除といった縮小手術も積極的に行っています。癌が他臓器へ浸潤していても完全切除が可能と考えられる場合は、浸潤部分の合併切除などの拡大手術を行うこともあります。また、手術の根治性が損なわれない場合には気管・気管支形成術や血管形成術を行い術後の肺機能をできるだけ温存するように努めています。このように肺癌に対する外科治療は、それぞれの患者の全身状態と病状を十分検討した上で術式を決定しています。

胸腔鏡下手術

 2006年よりリンパ節転移を伴わない早期肺癌に対しては、内視鏡を用いたテレビモニター下の手術(胸腔鏡下手術)により、低侵襲手術を積極的に行ってきました。近年では、リンパ節転移を伴うⅡ期や単発リンパ節転移Ⅲ期症例でも、安全で確実な摘出が可能であれば、胸腔鏡下手術を行っています。体に優しい手術だけでなく、従来の開胸手術と遜色ない手術の質も追求しています。

 

転移性肺腫瘍

 肺または肺以外の臓器に発生した悪性腫瘍が、肺へ転移した場合に病巣切除を行います。

① 原発病巣のコントロールが行えている

② 肺病巣の数が少なく完全切除が可能なこと

③ 原発病巣治療後にある程度の無病期間が得られていること

などが手術適応と考えています。原則として部分的な切除を行いますが、病巣の大きさや部位により肺葉切除を行うこともあります。

 

気胸

 肺の表面に穴が開いて、肺が縮んでしまう病気です。肺に基礎疾患を有していない特発性気胸と、基礎疾患を有する続発性気胸に分類されます。

手術

 原則的に安静や脱気・ドレナージ治療後の再発症例を対象に手術を行っていますが、両側同時発症や反対側の気胸の既往がある場合などは、初回発症でも手術を行います。ほとんどの症例で小切開による胸腔鏡下手術が行われています。

 

縦隔腫瘍

 縦隔とは、両肺に挟まれた胸郭の中心を指しますが、この部位に発生する腫瘍を縦隔腫瘍と言います。代表的なものとしては、胸腺腫・胸腺癌、神経原生腫瘍、胚細胞腫瘍、悪性リンパ腫などの充実性腫瘍や胸腺嚢胞、気管支原生嚢胞などの嚢胞性疾患が挙げられます。

胸腔鏡下摘出術

 悪性度の低いものから極めて高いものまで存在し、悪性度の高いものは化学療法や放射線治療を先行したのち摘出を行う場合があります。従来、胸骨を正中で切開する方法により摘出していた前縦隔腫瘍(主として胸腺腫)に対して、2011年より胸腔鏡下摘出術を導入し、低侵襲な術式が可能となっています。

 

炎症性疾患

 内科的治療のみでは治癒困難な膿胸や肺真菌症、肺抗酸菌症などの炎症性疾患の症例に対しても外科的治療を行っています。疾患の程度と全身状態を十分考慮した上で、術式を選択しています。有茎性大網弁を用いた手術方法に関しては当院が本邦におけるパイオニア的存在であり、豊富な臨床経験と実績をもっています。

 

手掌多汗症

 先天的に手掌に過剰な汗をかいて、日常生活に支障をきたす場合に胸腔鏡下胸部交感神経切断術を行い高い治療効果を得ています。低侵襲で短期間入院治療が可能です。

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