心臓血管外科
診療内容

先天性心疾患

 乳児期以後の複雑心奇形に対する手術が多いですが、本年度より新生児期乳児期早期の患児に対する外科治療にも取り組みはじめています。また、40年の先天性心疾患手術の歴史があり、先天性といえども、成人患者の割合が増加しており、成人した先天性心疾患患者に対する治療も増加傾向にあります。

 

冠動脈外科

 動脈グラフトを多用した手術を行っています。低侵襲術式である人工心肺を用いない方法(OPCAB)は、ハイリスク患者を中心に行っており、冠動脈バイパス術の4割を占めます。カテーテル治療では対応できないびまん性狭小冠動脈疾患に対しても、long reconstruction手術を試みています。

 

弁膜症手術

 弁膜症手術の割合が一般の心臓血管外科施設に比べて非常に高いです。現在は僧帽弁閉鎖不全症に対して弁形成術の選択が当然の時代ではありますが、それ以前においては、全乳頭筋温存僧帽弁置換術など、標準的な僧帽弁置換術より、心機能的に有利な術式を開発し、高い評価を得ていました。

手術

 後尖に対する弁形成術だけでなく、前尖逸脱でも人工腱索を用いた僧帽弁形成術を積極的に行っています。人工腱索の最も適した長さを決定するのは難しいですが、我々は心拍動下に逆流のないことを確認して人工腱索の長さを決めています。虚血性僧帽弁逆流にはリングを使用した弁縫縮に加えて乳頭筋つり上げを心拍動下に行なう試みをしています。最近著しく増加してきている大動脈弁狭窄症では、弁石灰化病変をキューサを使用して切除しています。

 

大動脈手術

 胸部大動脈瘤も腹部大動脈瘤も伝統的に手術件数が多く成績も良好です。超低体温逆行性脳還流法という胸部大動脈瘤手術の補助手段は当院上田、三木(共に元部長)らが世界に先駆けて行い、良好な成績を世界に発信したことから、天理テクニック、ジャパンテクニックとして知られています。

手術

 脳保護に対しては、軽度低体温脳分離体外循環を用いて行っています。高齢化社会になり当院手術の中では、急速にその手術件数が増加している分野で、高齢者でも安全に行える術式、補助手段をめざして、新しい方法に取り組んでいます。また、急性大動脈解離の緊急手術は年間30−40例あり、死亡率も高い疾患ですが、最近2年病院死亡はありません。

ステントグラフト治療

 2007年7月から放射線科協力のもとで可能となり、すでに累積は100例を超えています。週1−2例のステントグラフト治療を行なっており、緊急にも対応しています。高齢者やハイリスク患者の胸部下行大動脈瘤、胸腹部大動脈瘤、腹部大動脈瘤では第一選択としており、今後も増加すると思われます。

 

不整脈外科

 心房細動を合併する開心例では、Radiofrequency ablationを用いた低侵襲のMAZE手術を積極的に行っており、洞調律復帰率も良好です。(70-80%)。心耳の重要性に着目して、両側心耳を温存した簡易メイズ手術(BAP mini-MAZE手術)が基本術式です。

 

末梢血管外科、その他

 数例ですが臨床応用し末梢血管手術では自己幹細胞を用いた再生医療をすでに導入しており、心臓への再生医療の応用も倫理委員会の許可を得ており、近日、臨床応用の予定です。

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