消化器内科
診療内容

食道の病気

食道癌

 外科的切除(胸腔鏡/腹腔鏡併用を含む)、放射線治療、内視鏡治療、化学療法などガイドラインに沿った治療を行っています。診断には超音波内視鏡(EUS)や、NBI、FICE拡大内視鏡、CT、MRI、PETなどを用いて治療前診断および経過観察を行います。

 化学放射線治療の経験は全国有数で、早期癌症例に対するEMR、ESDなど低侵襲の内視鏡治療はもちろん、集学的な治療を必要とする様々な病期の食道癌について、放射線科、外科、内科合同の食道カンファレンスで検討し、治療の個別化を図っています。病状に応じて、局所再発への内視鏡治療や内視鏡下胃瘻造設、放射線科と協力してステント留置にも対応しています。

アカラジア

 内科で薬物療法およびバルン拡張術を施行しており、合併率の高い食道癌の早期発見を心掛けています。必要な時期に適切な外科治療をおこないます。

 

胃・十二指腸の病気

慢性胃炎、胃・十二指腸潰瘍

 ヘリコバクタ・ピロリ菌による慢性胃炎、胃・十二指腸潰瘍に対しては、一次・二次除菌治療を積極的に行っています。

早期胃癌

 従来外科的切除が選ばれるケースがほとんどでしたが、技術や知識の進歩により内視鏡による切除が可能なケースが明らかとなってきました。内視鏡治療は外科的切除と異なり、胃が完全に残り、手術痕もつきません。また、治療による体力の消耗も抑えられ、大きなメリットがあるものと考えられます。

内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)

 当院ではその内視鏡治療法である、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を積極的に行っています。早期胃癌に対するESDは2006年に保険収載されましたが、当院では2005年5月より取り組んでおります。導入後より約1000例治療しておりますが、少ない偶発症で良好な治療成績を収めております。

 内視鏡治療が困難な症例に関しては、消化器外科・放射線科と治療計画を綿密に検討した上で、外科的切除(腹腔鏡下手術・開腹手術)、化学療法などのベストな治療を提案させて頂きます。

 

肝臓の病気

 肝炎・肝硬変と肝腫瘍の診療を外来、入院で幅広く行っています。

 臨床検査部、放射線科、病理診断部の協力の元で診断を行っています。

急性肝炎

 原則入院してもらい原因を探る一方で、頻度は少ないですが劇症化に備えます。劇症化した場合は集中治療をしつつ肝移植を模索します。

C型慢性肝炎

 治療は2015年から大きく様変わりしました。従来のインターフェロンを中心に据えた治療から内服薬のみでウイルスを消失させる治療へ移行しています。24週内服あるいは12週内服の治療があります。

 インターフェロン治療に比較すると副作用は少なく治癒率は90%を越えています。医療費助成制度で月額1-2万円で治療が受けられます。

B型慢性肝炎

 薬剤(エンテカビル、テノフォビル等)を継続内服することでウイルスの量を抑えて肝炎を制御しています。

その他の肝炎

 アルコール性、非アルコール性脂肪肝炎、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変などや、原因不明の稀な肝炎の診断、治療を行っています。

肝発癌

 慢性肝炎・肝硬変からの肝発癌のチェックを定期的な画像検査で行い早期発見を図っています。

肝細胞癌

 肝腫瘍の大部分を占める肝細胞癌について毎週、放射線科、外科、内科の3科が集まって討議の上、個々の患者さんについて適切な治療法を決定しています。外科手術(外科が担当)、肝動脈化学塞栓療法(TACE)(放射線科が担当)、ラジオ波熱凝固療法(RFA)(内科が担当)が3つの柱です。再発の多い腫瘍なのでその都度これらを組み合わせた治療を選択して行っています。

過去5年間のTACE、RFAの件数を下にまとめます。

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年
TACE 132 128 142 162 112
RFA 63 93 73 85 60

 

胆嚢・膵臓の病気

胆石症

 総胆管結石に対しては消化器内科で内視鏡的採石(EST、EPBD)を行い、胆嚢 結石には腹部外科で胆嚢摘出術(腹腔鏡下、開腹)を行っています。

悪性腫瘍(膵癌、胆管癌等)

 診断と手術の可否をつけるため放射線科とエコー室の協力のもとに各種画像検査(エコー、CT、MR、PET等)を行い、並行してERCP(造影検査IDUS、細胞診、生検等)とEUS(ガイド下穿刺を含む)を行っています。治療方針は外科・放射線科・内科の合同カンファレンスで決定しています。

閉塞性黄疸

 手術不能例の閉塞性黄疸に対しては経乳頭的(ERCP)あるいは経皮経肝的(PTCD)に胆管ステント(金属、チューブ)を留置しています。また、適応例には外来化学療法を行っています。

急性閉塞性胆管炎(結石、悪性腫瘍)

 夜間、休日を問わず内視鏡的 胆管ドレナージ術(ENBD、EBD)および全身管理を行っています。

急性膵炎

 全身管理を行いつつ放射線科の協力のもとに症例に応じて蛋白分解酵素阻害薬・抗菌薬膵局所動注療法を行っています。

 

胆膵各種検査・処置件数

2015年4月~2016年3月

EUS年間総件数 298
EUS-FNA年間総件数 81
Interventional EUS年間総件数 3
ERCP年間総件数 495
EST年間総件数 178
EPBD年間総件数(①EPBD・②EPLBD) ①11(うち吻合部3)・②11
胆道EBD(ドレナージ)年間総件数(①EMS・②PS) ①20・②234(うちENBD 135)

 

小腸・大腸の病気

炎症性腸疾患

 潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患は現在200名以上の患者さんが通院中です。炎症性腸疾患に関しては従来からの薬物療法、栄養療法に加え、新しい抗TNFα抗体(レミケード、ヒュミラ)、免疫調整剤の投与や白血球除去療法などを組み合わせて、疾患のより良いコントロールを目指しています。なお当院では従来の検査法では到達できなかった小腸病変もCTあるいはMRエンテログラフィー、カプセル内視鏡、バルーン内視鏡等を用いて診断、治療が可能になりつつあります。

大腸腫瘍

 下部消化管内視鏡検査のみならず各種検査(拡大内視鏡検査、超音波内視鏡検査、CT、FDG-PETなど)を加えることにより、病変の進行度を適切に評価した上で、内視鏡治療、外科的治療、全身化学療法の適応を判断しています。

内視鏡治療

 外来での内視鏡検査時に治療適応のある腫瘍が発見された場合、可能な限り検査と同時に内視鏡的治療を行い、サイズが大きいものや内服薬の種類によっては入院での治療を選択します。また、当院は2011年7月より厚労省が定める先進医療「内視鏡的大腸腫瘍粘膜下層剥離術(大腸ESD)」の認定施設となりました。大腸ESDは従来の内視鏡的切除では治療が困難であり、外科的治療を余儀なくされていた病変に対しても、完全な一括切除が期待でき、それにより高い根治性と正確な病理学的診断が可能になる優れた手技です。現在は保険収載されていますが、継続して治療実績を積み重ねています。

外科的治療

 外科的治療が必要と考えられた症例に関しては、内科外科の垣根を越えた総合カンファレンスにおいて症例毎に最適な治療方法について検討し、最終的な治療方針を決定しています。

抗癌剤治療

 近年の抗癌剤の進歩に伴う生存期間の延長に伴い、切除不能大腸癌に対しては抗癌剤治療を行っています。入院にて治療を開始したあとは、外来通院での治療継続が標準となっています。

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