奈良県天理市|公益財団法人・天理よろづ相談所病院「憩の家」
home ホーム  >  病院紹介 >  特色と活動 >  包括的ケア管理 > 認知症ケア・身体拘束最小化チーム

 

1.チームの目的と役割

 当院では、高齢化に伴い増加する認知症をもつ患者さんに対して、安心・安全な医療を提供するため、「認知症ケア・身体拘束最小化チーム」を設置しています。

 このチームは、認知症をもつ患者さんやご家族が不安なく入院生活を送れるようにサポートし、必要に応じて多職種が連携してケアを行います。

 認知症のある方は、入院による環境の変化から「せん妄」や「BPSD(行動・心理症状)」が起こりやすく、個別に配慮された環境と支援が必要です(認知症ケア)。また、身体拘束をできる限り行わずにケアをすることは、患者さんの尊厳を守るうえでとても大切です(身体拘束最小化)。

 私たちは、患者さんの状態や生活背景をふまえた最善の方法をチームで話し合い、治療とケアの両立を目指しています。

 

2.チームメンバーと主な役割

医師(脳神経内科・精神科)
  • 認知症の診断や薬剤の調整、症状に対する医学的な評価を行います。
看護師(認知症看護認定看護師)
  • チームの相談窓口となり、患者さんやご家族の状況を詳しく把握したうえで、どのようなケアが最適かを病棟のスタッフとともに考えます。ベッドサイドでの様子を観察し、必要に応じて生活環境やケア方法の調整を提案します。また、ご家族が安心して介護に向き合えるような助言も行います。
リハビリテーションセラピスト
  • 運動や言語、認知機能などの評価を行い、日常生活でできるリハビリの方法を提案します。
薬剤師
  • 可能な限り疾患の進行を予防、あるいは健康状態を回復・維持するために呼吸リハビリテーションを行います。
医療ソーシャルワーカー(MSW)
  • 入院前後の生活環境や経済的な状況に応じた支援、利用できる制度の案内など、生活全体を見据えた支援を行います。

 

3.活動内容

認知症ケアに関する活動

  • 認知症のある患者さんについては、入院当日から状態を早期に把握し、病棟スタッフやチーム内で情報を共有します。
  • 週に1回、認知症ケアチームで病棟を巡回し、患者さんの様子を確認します。特に認知症看護認定看護師がベッドサイドを訪問し、ケアに関する困りごとを病棟スタッフと一緒に考えます。
  • 患者さんやご家族からのご相談にも対応し、医療や介護への不安に寄り添います。
  • 必要に応じて、認知症の症状や認知機能に応じた環境調整やケア方法を提案します。

 

認知症ケアに関する活動

  • 身体拘束が検討されている患者さんについては、必要時にチームメンバーが病棟多職種とともに,その必要性や代替策など、できる限り身体拘束を行わない方法を検討します。
  • 実際に身体拘束が行われている場合は、状況を把握し、早期解除に向けてチームで協議・支援を行います。
  • 入院中の患者さんに対し、転倒・転落のリスクを評価し、けがの起きにくい安全な療養環境を整備します。
  • ご家族と情報を共有しながら、患者さんの尊厳を大切にしたケアを行えるよう支援します。
ページの先頭へ