奈良県天理市|公益財団法人・天理よろづ相談所病院「憩の家」
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勤務
先輩看護師の声

Mさん夫婦

 看護師として、ご夫婦で活躍されているMさんにインタビューをしました。

 

お二人の経歴

パパナース

 2002年4月入職しICUに配属。

 途中、退職し9か月程他院に就職。HCU兼呼吸器内科病棟で勤務したが、2020年の6月、当院に再就職し再びICUに配属。当院再就職後、クリティカルケア特定認定看護師の資格を取得し、現在はICU配属のまま、院内の包括的管理ケアである呼吸ケアチームやクリティカル領域の教育支援など、院内を横断的に活動。

ママナース

 2002年4月入職し耳鼻咽喉科に配属。

 結婚、出産後は、呼吸器外科病棟に異動。3人目の出産後に、現在の呼吸器外科・呼吸器内科混合病棟に異動し現在に至る。病棟では、看護学生の実習指導者を担う。

 

Q.看護師を目指した動機は?

パパナース

 15歳の時、父親が肺がんになり死別を経験しました。当時、姉が看護師を目指し准看護師として天理で勉強をしており、父親に接する姉の姿を見ていて、自分も看護師になって天理に恩返しができるのではと思ったことがきっかけでした。途中退職して勤務した病院で、肺がんの患者さんにめぐり合わせてもらい、改めて、自分のしたい看護を知ることができました。

ママナース

 高校で進路に悩んでいた時、友達の「私、看護学校行くねん」という言葉に影響を受け、『ちょっと看護師さんっていいかなぁ』と思ったのがきっかけでした。親には、「勉強しないのに、あんたには無理やー」と反対されたけれど意地になって。天理に来ていたので、天理の看護学校を選びました。

 

Q.交代制勤務をしながら仕事と家庭とをどのように両立させてきたのですか?

パパナース

 夜勤専従の時期もあり夜勤回数は多かったです。

 夜勤明け、夜勤前(午前中の仮眠前)に授業参観に行っていました。自分では、子育てする上で、やらなきゃいけないこと、義務だと思っています。まずは子供のこと、学校のことを優先してきました。

 子供が体調不良で、夜勤前に病院へ連れて行くこともあり、夜勤前後の時間を有効に使ってきました。(笑)

ママナース

 昔は短時間勤務制度や院内の病児保育が整備されていなかったです。そういう意味では、現在は働きやすい時代だと思います。交代制勤務は、平日に休みが取りやすかったりするので、学校行事や平日の参観日に都合がつけることができました。その代わりに、子どもの休みの日と合わないことは避けられません。平日の時間を有効活用できることはよかったです。(笑)

パパ・ママ

 土日、どちらかは、子どもと過ごすように、お互いの病棟師長さんに勤務希望を出して調整してもらってきました。師長さん同士が連絡して調整してくださることもありました。

 自分たちは、お互い、時間を有効に使ってきましたが、皆、どうしているのでしょうね。二人とも看護師だからお互い、理解しあってできてきたのか、、、。

 多分、違う職業だったら理解が難しかったかもしれません。夜勤明けで寝ていても、気にならないし。

 子どもが体調悪い時は、夜勤前にお互い申し送って勤務に行ってました。(笑)

 

Q.仕事と家庭との両立で、特に大変だったことは?

ママナース

 耳鼻科から呼吸器外科に異動した時ですね。周手術期看護といえども、術後の経過が全く異なって、胸腔ドレーンって、何ですかって感じでした。産後8ヶ月で復帰したので、勉強と育児とで一杯一杯でした。子どもと一緒に寝落ちすることもありましたし。先輩、後輩に支えられ、色々教えてもらい何とか乗り切りました。出だしはしんどかったです。

パパナース

 嫁さんは日勤で、自分は夜勤専従だった時期もあって、夜勤前に食事を作って出勤してました。離乳食も作って、出汁とって。料理好きなんで。

 実の母親と住み始めてからは、大分助けられました。母親に大分、家事を任せることができたので、夫婦は、子どもの事と仕事にシフトできました。子供が2人、3人、4人と増えても何とか両立できたと思います。夫婦だけで4人の育児と仕事を両立となるとちょっと、、、。

 嫁さんが夜勤に行った時、8、9か月の子どもと二人っきりになって、お母さんがいないって泣かれることもありました。それが一番自分の中ではしんどかったです。長女は泣き疲れて寝ていたのかもしれません。可哀想な部分もありましたが、それは乗り越えるしかなかったです。でも、自分達だけでやるには限界があるから、周囲を頼って、自分たちのできる範囲での両立っていう感じだったかな。

 自信満々で、両立しましたーとは言えません。本当に支えてもらいました。

 

Q.パパ・ママナースとして働くことに、ご家族はどう思われていますか?

パパナース

 夜勤で家にいない生活が20年なので、今では習慣化しているのかなと思います。長女が看護大学に入学し、看護師を目指したことで、少なからず看護という仕事に対して嫌だとか思ってないんだなって思っています。

ママナース

 昔、「お迎えが遅い、私が学童で一番最後やっ!」て文句を言っていました。雷が鳴る中、雨の暗い中待っていて、今でも雷が鳴ると怖いようでトラウマみたいになっていて。辛い想いさせてたんやろなって思います。ある時、看護師を目指すって言ったとき、「お母さんのことを尊敬してないと、この職業は目指さないよ」と言ってくれて、本当に凄く嬉しかったです。どの職業もやっぱり大変な職業やけど、この職業を選んで尊敬してると言われた時は、『あぁ、ちゃんと見てくれてたんやなぁ』と嬉しかったです。

 

Q.職場の働きやすさなど、聞かせてください

パパナース・ママナース

 院内託児所、病児保育の体制や、時短制度、時短勤務者優先の駐車場など、働きながら子育てする人を優遇することが増えてきました。時代とともに、共働きが増えてきたので整備されたのだと思います。整備されてきた歴史を知っているのでありがたみが凄くわかります。

 男性の出産立ち合いや育児休暇が、当たり前の時代ではなかったですし。今は、休みがとりやすくなりました。

 

Q.育児の経験が今の仕事に、逆に仕事が育児や家庭に役に立っていることはありますか?

パパナース

 育児経験が、ICU入室の病児のケアには活かされました。抱っこ、寝かしつけ、オムツ交換、ミルク(笑)自分の子どもと病気の子どもは、同じようにはいきませんが、何らか役に立っています。

ママナース

 同じような子育て世代のお父さん、お母さんが入院してきた時、母親目線、親目線に立って話しを聞くことができるので、病気以外でも何に困っているか、目を向けられていると思います。

パパナース

 子どもができて、母親になる、父親になると、自分の看護の質が変わったと思います。

 看護は底がない。やればやるほど、ベストを求めて知識を増やして。でも、限界もあってベストに出来ないことも多いです。

 

Q.これからの看護師にメッセージをお願いします

ママナース

 一人では出来ないので、周りのスタッフからサポートを受けながら、一人で抱え込まないで、ということがひとつです。

パパナース

 夫婦同級生で、20年同じ病院で看護師として。優劣はなく役割をそれぞれ持ってやっています。

 自分たちだけで仕事と家庭の両立を完璧にするのは難しいと思います。職場の上司、先輩・同僚・後輩、家族に支えてもらって今があります。子ども達には、家で寂しい想いとかさせたかもしれませんが、いつか必ず楽しい思いをさせてやりたいと思っています。これからも一生懸命な姿を見せていくしかないとと、思います。気負わず、周囲に支えてもらい、感謝を伝えて仕事を続けることが大事だと思います。

ママナース

 資格を得るという考えで看護師目指す人もいると思ます。それが悪いわけではないですが。

 看護の楽しさや喜びを感じることが目指すきっかけになるように、看護学生に伝えていきたいと思います。

パパナース

 慌ただしく時間が過ぎて、看護を振り返る時間がないのかもしれません。しんどかったで終わってしまうのは、本意ではないと思うんです。看護の成功体験を振り返る、患者さんが喜んでいる姿が自分の喜びに変わるように、看護の魅力を伝えていきたいと思います。

 

Hさん

 看護師としてパパとして、活躍されているHさんにインタビューをしました。

 

経歴

 2015年4月に入職しICU、脳外科病棟に勤務後、希望にて2022年4月にリハビリ科へ異動。

 その年から看護学生の実習指導を担う。2024年度回復期リハビリ病棟学会で学会発表。

 

Q.看護師になろうと思った動機は?

 中学生の時、テレビで見た救急救命士のドキュメンタリーがきっかけで人を助ける仕事に就きたいと思いました。高校生の時は、部活しかしておらず、天理の看護学校を受験しましたが不合格で一般大学へ進学しました。卒業後フリーターをしていた時期に数名の看護師の方と出会い、様々な場所で活躍され、人のために日々動き、楽しそうにされている姿に感銘を受けました。た。また、祖父が倒れた時、看護師だったらすぐに対応できたのではないか、祖母が在宅療養していた時、看護師だったら家族の代わりにもっとサポートできたのではないかと思ったんです。ここから、本気で看護師を目指しました。

 

Q.毎日どのように過ごされていますか?(仕事・家庭でのこと)

 脳外科勤務時代は、夜勤専従をしていた時もありました。現在は、月に5回ほど夜勤があり、夜勤明けや休日は、子どもと余暇を楽しんだり、時には買い物に一緒に行ったりします。妻は専業主婦で、家事一斉をしてくれます。2023年には3人目が生まれたので、できるだけ家事や育児を手伝うようにしています。

 

Q.看護師になって良かったことはありますか?

 自分の子どものオムツ交換が難なくできます。子どもが怪我をした時は処置ができます。子どもが体調不良の時は、自宅療養でいいか、病院にすぐ連れていくべきか朝まで待てるか等の判断ができます。コロナが流行していた時は、家でも感染予防を実行しました。それでも、子供がいると上手くいかないのが現実でした。

 どんな職業でも人のためにする仕事は立派で尊敬します。現場で人を助ける仕事って限られていると思うんです。リハビリスタッフと患者さんの情報を密に共有してケアした結果、患者さんのADLが回復するのを目の当たりにすると、リハビリ看護をしている喜びを実感します。患者さんの人生に携わらせていただいている、退院する時の患者さんの喜びを見ると本当に幸せになります。本気で看護師を目指して良かったと思いますし、やりがいを感じます。

 

Q.職場のことを何か聞かせてください。

 コロナ禍には、クラスターを経験して忙しかったですが、スタッフ皆で協力して乗り越えられたことが大きいです。本当に信頼し合える仲間という想いで、現在働いていまする。とても雰囲気が良く、働きやすい職場です。

 1人目の出産は当院でした。コロナ流行前でしたので、妻の陣痛時に病棟に電話を貰い、夜勤前に立ち合いをさせて貰いました。産後休暇をと有休を合わせて、毎回5日~10日ほど休みを頂きました。家族が体調不良の時や、入院となった時も勤務配慮してもらい、心身ともに家族共々とても助かっています。

 

Q.これからの看護師になろうと考えている人へのメッセージをお願いします。

 色んな理由で看護師になろうと思って目指される方がいると思います。理由はどうであれ、看護師になりたいと思って貰える方がいれば是非応援したいです。私は一度、違う仕事に就いてから看護師になったので、そういう方がいたら是非進めたいです。看護師は、これからもなくてはならない職業で、いろんな場面、場所で活躍できます。スキルアップすればするほど、患者さんに還元できます。とてもやりがいのある職業なので、是非目指してほしいです。本気になって、諦めなければ絶対に夢は叶います。自分に合う場所、自分の居場所は絶対にあると思います。諦めずに、最後まで夢を追いかけてほしいです。看護が楽しいと思える職場で、仲間になりませんか!

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

皆様への一助になれば幸いです。

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